やっぱり日本人なんですね。
卓袱台は姿を消してしまったのに。
最近、住宅の業界では、外国のように長持ちする家を作ろうとする動きがあります。
環境への意識の高まりも後押ししてるでしょうし、
100年住宅、長期優良住宅など政府の方針も「ストック」を打ち出してきています。
よく言われるのが、外国の家は100年も200年も住み続けるのに、
日本はほんの数十年しか住めない住宅を建てている。という事。
昔はそうではなかったんですが、高度成長と共に住宅メーカーが現れ、
住宅を工場で生産して、商品と化してしまいました。
それに付随して、新建材が登場し、結果として長期に耐久性を望めないものが、
普及してしまったのだろうと思います。
新建材=長持ちしない、とは限りませんが、
それまでの建材は長く使われてきたものです。
ですから、もう一度そういった良質の建材を使って、
長持ちさせて使い続けて行こうとしているわけです。
でも、古い家を潰して新建材の家に建て替えてきた理由が他にあります。
“グローバル化”とでもいうか、それも一つの要因と考えられないでしょうか?
ようするに、日本の生活様式の洋風化に伴って、既存の生活空間ではやりにくなって、
直して使うよりは建て替えてしまうほうが手っ取り早い方法だったのでしょう。
今、卓袱台で食事をする日本人がどれだけいるでしょうね。
星一徹の様な熱血頑固オヤジも消えてしまいましたが。
卓袱台に代わりダイニングテーブルが普及するのですが、
どうやらGHQ指導の下、農村の生活改善として、農家から取り入れられたそうです。
確かに、野良仕事の間で土足のまま土間で食事が出来れば楽ですかね。
だが、日本人はダイニングテーブルは受け入れても、土間生活は受け入れなかった。
その為、畳をフローリングに替え、流しも床上にする必要が有ったのと、
家族にもプライバシーが必要という考え方が入ってきたせいで、
洋風生活の家に建て替えていったんじゃないでしょうか?
いくら洋風化しても、日本の良さは残っているし、
逆に日本から他の国に影響を与えたものも沢山あります。
そんな事をよく考えて、古民家の改修も、次世代の住宅も、
取り組んでいきたいなと、ふと思いました。
「サザエさん」が終わると聞いて、またひとつ卓袱台の風景が消えるのかなと...
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